nexacro platformは、さまざまなデバイスやオペレーティング環境をサポートするために、統合フレームワーク(Unified Framework)とJavaScriptベースのコンポーネントを提供します。一つのコードでどのような環境でも動作するアプリケーションを作成することができ、各動作環境によって最適化された実行環境を提供します。
nexacro platform統合フレームワーク
nexacro platform統合フレームワークは、さまざまな実行環境で最適なパフォーマンスを提供し、新しいオペレーティングシステムが登場してもすぐに対応できる構造に作られました。
バージョンによって、パッケージや配布方法は異なることもありますが、内部的に動作するアプリケーションは同じなので、どんな環境でも同じ動作を保証することができます。アプリケーションで使用するすべてのコンポーネントは、JavaScriptベースに作られ、Webブラウザとnexacro platformランナー(Runner)で同じように動作します。ただし、Webブラウザは、ユーザーが使用しているバージョンによって性能が異なる場合があります。
統合フレームワークは、他の要素と一緒にnexacro platformエンジンの役割を果たします。主な要素は次の通りです。
構成要素 | 説明 |
---|---|
統合フレームワーク (Unified Framework) | プロジェクトとアプリケーションを構成する基本的なフレームワークを提供します。 データ通信(XML、CSVなど)、画面間の連携のような作業を処理し、設定されたテーマに基づいて全体のスタイルを処理する機能が含まれています。 |
UIコンポーネント (UI Components) | 画面上に表示されるUIコンポーネントとDatasetのようなオブジェクトを提供します。内部的にはUIコンポーネントは、基本コンポーネントを組み合わせて作成されます。 - UIコンポーネント:Button、Calendar、Checkbox、Gridなど - デフォルトコンポーネント:EditBase, FormBase, FrameBase, ScrollBarなど - オブジェクト:Dataset |
統合フレームワークAPI | アプリケーションは、統合フレームワークで構成され、ランタイムとHTML5バージョンが同じ方式で動作し、開発者は、どのバージョンを使っても同じ方法で開発します。 内部要素であるエレメント(Element)は、それぞれの環境に最適化された方式で開発されました。ランタイムバージョンはCをベースに作成され、HTML5バージョンはJavaスクリプトをベースに作成されます。但し、開発者がカスタムコンポーネントを作成したり、プロジェクトに必要な共通の作業を行うときは、JavaScriptベースとして、一つのコードのみを使用します。残りは、統合フレームワーク内で、使用環境によって必要な要素を適用して処理します。 |
Device API | サードパーティが開発したモジュール(Extension DLL)との連携時に使用する機能です。 外部機器連動などの処理をサポートします。 |
Device API (Camera...) | モバイル機器の使用時にカメラやダイヤルなどの機器自体の機能との連携時に使用する機能です。機械によってサポートされる機能が制限されることがあります。 - Webブラウザによって、一部の機能を提供しますが、まだ実験段階のため、HTML5バージョンではサポートしておりません。 |
Local Database | アプリケーション内でデータを保存して処理することができる機能をサポートします。 SQLiteをサポートし、デスクトップだけでなく、モバイル機器でも使用できます。- WebブラウザでもIndexed Database(http://www.w3.org/TR/IndexedDB/)をサポートしますが、まだ実験段階のため、HTML5バージョンではサポートしておりません。 |
バイナリデータ 通信 | データ通信時にXML、CSV、SSVなどの形式は、ランタイム、HTML5バージョンの共に基本的にサポートし、ランタイムバージョンではバイナリ通信をさらにサポートします。 - Webブラウザでもバイナリデータ通信処理が可能ですが、まだ実験段階のためHTML5のバージョンではサポートしておりません。 |
nexacro platform構成要素
nexacro platformは、4つの要素で区切られます。プログラミング言語と開発環境は、製品のバージョンに関係なく同じであり、実行環境と開発環境は、バージョンによって異なる場合があります。
プログラミング言語
nexacro platformは、他のプログラミング言語とは異なり、ユーザーに表示される画面を定義する部分とビジネスロジックを処理するスクリプトで区切られます。また、画面に好きなデザインを適用するために、スタイルとテーマを適用することができる機能を提供します。
画面を配置する部分は、XMLベースで各コンポーネントのプロパティとバインド、イベントなどの情報を管理します。また、様々な実行環境をサポートできるようにMLM(Multi Layout Manager)機能をサポートし、関連するプロパティを管理します。また、アプリケーションの実行に必要な環境情報を管理する別のファイル構造を提供します。
以下は、nexacro platformでのアプリケーション開発時にデフォルトで作成されるファイルに関する説明です。
区分 | ファイル名(拡張子) | 用途 |
---|---|---|
nexacro platform Project | *.xprj | • プロジェクト情報 • TypeDefinition • グローバル変数 • ADL (アプリケーション) |
nexacro platform Application Definition | *.xadl | • アプリケーション実行環境 • TypeDefinition • グローバル変数 • テーマ情報 • フレームプロパティ • スクリーン情報(ScreenInfo) |
nexacro platform Form Definition | *.xfdl | • 画面レイアウト • 画面フォームプロパティ • コンポーネントプロパティ • 追加レイアウト • スクリプト |
TypeDefinition | default_typedef.xml | • モジュール • コンポーネント • サービス • アップデート |
GlobalVariable | globalvars.xml | • グロバール変数 |
Theme | *.xtheme | • スタイルシート (フレーム、フォーム、コンポーネントなど) • イメージ |
生成されたアプリケーションは、ビルドプロセスを経て、JavaScriptベースのコードに変換されます。実際の実行環境では、変換されたJavaScriptコードを実行するようになります。
開発環境
nexacro platformは、ウィジウィグ(WYSIWYG)ベースの開発ツールであるnexacro studioを提供します。nexacro studio内で実行環境に関係なく、アプリケーションを開発することができ、生成されたコードは、nexacro platformのプログラミング言語で保存されます。
nexacro studioは、Microsoft Windowsオペレーティングシステムのみサポートしますが、開発されたアプリケーションは、どんなオペレーティングシステムやどんなデバイスでも関係なく、最適化された使用環境で配布することができます。
配布環境によって、nexacro studio以外の開発ツールで追加的な作業を必要とすることができ、別々の認証を受けなければなりません。たとえば、iOSをサポートするアプリを開発する場合には、配布時にXcode環境が必要であり、アンドロイドOSをサポートするアプリを開発する場合には、配布時にEclipse環境が必要となります。
実行環境
nexacro platformは、統合フレームワーク(Unified Framework)を元に、アプリケーションが実行され、各実行環境によって最適化された構造を提供します。
アプリケーションを実行する主体によってランタイムとHTML5の2つのバージョンが提供されます。ランタイムバージョンは、各オペレーティング·システムによって最適化された実行環境を提供します。新しいオペレーティングシステムが発売されても、必要なAPIを追加してサポートすることができます。 HTML5バージョンは、ユーザーのWebブラウザ基に動作します。
nexacro platformが実行される環境を簡単に表現すると次の通りです。
ランタイムバージョンは、独自に開発されたレンダリングエンジンを含むnexacro platformランナー(Runner)を提供します。そのため、一般的なWebブラウザよりも高速安定した性能を保証することができます。
ランタイムバージョンでも、オペレーティングシステム上の制約がある場合があります。たとえばiOSで実行されるアプリはUIWebViewというオブジェクトのみ使用しなければなりません。同じフレームワークを使用しますが、オペレーティングシステムメーカーのポリシー上で、UIWebViewオブジェクトを使ってもう一度包み込む形式をとります。
配布環境
配布とは、アプリケーションが実行されるために必要なリソースをクライアントにインストールするための一連の作業を意味します。使用環境によって、nexacro platformで開発されたアプリケーションと必要なモジュールをダウンロードしてクライアントにインストールするようになります。
nexacro platformのアプリケーションは、ユーザーが使用するクライアントで動作します。ただし、データ処理などの作業のために、アプリケーション·サーバー(Application Server)を必要とすることがあります。 nexacro platformは、データ処理のためのX-APIモジュールを共に提供します。また、必要によってデータをリアルタイムで処理する必要がある場合、X-PUSHと同じような付加的な技術を使用することができます。
基本的な配布作業は、HTTPプロトコルを使用します。ただし、インターネット接続をサポートしていない環境では、アプリケーションの実行に必要なリソースを別々のメディアに配布して使用することができます。
各配布環境によって、追加の作業が必要になることがあります。配布と関連した詳細内容は管理者ガイド(Administrator Guide)で提供される各バージョンごとの詳細を参照してください。
X-PUSHは、ランタイムバージョンのみサポートします。
ランタイムバージョンでは、インストールモジュールが実行環境によって配布されます。
テーマファイルは、組み込みテーマを使用する場合には、nexacro studioで別々に作成せずにデフォルトテーマを変換する処理だけ行います。
システム要件
nexacro platformアプリケーションが動作するための環境は、次のとおりです。
Runtime
項目 | 仕様 | Windows | Android | iOS |
---|---|---|---|---|
CPU | 最小 | Intel® Pentium® 4 1.4GHz | ARM Cortex-A8 600 MHz | ARM Cortex-A8 600 MHz |
推奨 | Intel® Core™ i3-330M 2.13GHz | ARM Cortex-A8 1GHz以上 | ARM Cortex-A8 1GHz以上 | |
ディスプレイ | 最小 | - | HVGA | HVGA |
推奨 | - | HVGA以上 | HVGA以上 | |
メモリ | 最小 | 1GB | 256M | 256M |
推奨 | 4GB DDR3 | 512M | 512M | |
HDD(ROM) | 最小 | 8GB | 4M | 4M |
推奨 | 30GB - 5400rpm | 10M | 10M | |
プラットフォーム | Windows XP SP3以上 Windows 10 V1703(10.0.15063.413)以下 | Android 2.3以上 Android 7.0以下 | iOS 4以上 iOS 10.1以下 |
nexacro platform サポート端末は下記のとおりです。
これらの端末は当社で検証済みの製品であり、お客様から別途の問合せなしでサポートが可能な端末です。
• Android Smart Phone
Samsung Electronics
- Galaxy S3 (Android 4.1.2)
- Galaxy S4 (Android 4.2.2)
- Galaxy Note 8.0 (Android 4.1.2)
- Galaxy Note 10.1 (Android 4.1.1)
LG Electronics
- Optimus G2 (Andriod 4.2.2)
- Optimus Vu2 (Andriod 4.0.4)
SHARP
- Aquos Phone (Andriod 4.0.4)
• Android Tablet
Samsung Electronics
- Galaxy Tab 10.1 (Android 3.2)
Fujitsu Mobile
- Arrows Tab Wi-Fi FAR70A (Android 3.2)
• iOS
iPhone5 (iOS 6.0.1)
iPhone5s (iOS 7.1)
iPad2 (iOS 7.1.1)
iPad4 (iOS 7.1.1)
iPad mini (iOS 6.0.1, 7.1)
HTML5
Webブラウザ | 最小仕様 | 推奨仕様 | 最高仕様 |
---|---|---|---|
Google Chrome | 10.0.648.127 | 22.0.1229.79 | 最新バージョン |
Firefox | 8.0.1 | 14.0.1 | 最新バージョン |
Internet Explorer | 8.0 | 10.0.9200.16521 | 11.0 |
Edge | 25.10586.63.0 | 25.10586.63.0 | 最新バージョン |
Safari | 4 | 6.0.2 | 最新バージョン |
モバイルWebブラウザは、下記のブラウザのみをサポートします。
• Androidデフォルトブラウザ
• Android Google Chromeブラウザ
• iOSデフォルトブラウザ
モバイルWebブラウザ | 最小仕様 | 推奨仕様 | 最高仕様 |
---|---|---|---|
Androidデフォルトブラウザ | Android 2.3 デフォルトブラウザ | Android 6.0 デフォルトブラウザ | Android 7.0 デフォルトブラウザ |
Android Google Chromeブラウザ | Android Chrome (Android 4.0) | Android Chrome (Android 4.4) | Android Chrome 最新バージョン |
iOSデフォルトブラウザ | iOS 4 デフォルトブラウザ | iOS 6.0.1 デフォルトブラウザ | iOS 10.1 デフォルトブラウザ |