nexacro platformの配布概要

nexacro platformで開発されたサービスを、Windows PCユーザーに提供するには、nexacro platformの実行環境をユーザーのPCにインストールして開発されたアプリケーションをダウンロードする必要があります。これらのインストール手順を配布と言います。配布はnexacro platformエンジンによって自動的に行われ、HTTPプロトコル(Protocol)を使用したり、オフラインで手作業で行うことができます。

配布フロー

nexacro platformランタイムでの配布は、エンジンを配布して初めて起動するHTMLファイルを呼び出す部分まで管理します。実際のユーザーが見るnexacro platformアプリケーションは、HTMLファイルとJavaScriptファイルに対する処理順序に従います。

  1. nexacro platformエンジンの配布手順

    配布の手順を全般的に管理するnexacro platformエンジンをインストールします。

    Webブラウザの特定のページを通じてダウンロードしてインストールするか、exeファイル形式のインストールファイルを使用してインストールします。Webブラウザでダウンロードしてインストールする場合には、当社が提供するCABファイルを利用します。

  1. 統合フレームワークとコンポーネントライブラリの配布手順

    フレームワークは、エンジンと一緒に配布されるフレームワークDLLファイルにリソースファイルとして配布されます。

  1. アプリケーションの配布手順

    開発者が開発したアプリケーションを配布します。アプリケーションの配布時コンポーネントモジュールも一緒に配布されます。

    アプリケーションの配布は向上されたキャッシュ管理(Intelligent Cache)の手法を使って効率的にネットワークを使用します。

配布の段階

ほとんどの配布はnexacro platformエンジンにより実行されます。では、nexacro platformエンジンはどのようにして使用者の端末機に設置されるのでしょうか。nexacro platformエンジンは、主にウェブブラウザによりCABファイルで設置されます。ウェブブラウザを使わない場合は、実行形式インストーラを別途に提供します。

以下の説明に含まれたcabファイル、classid、CodeBase項目は、製品のバージョンや国別ライセンスポリシーに基づいて異なる場合があります。製品と一緒に配布されているnexacro14_VersionInfo_XXX.txtファイルを参照してください。

1段階:nexacro platformエンジンの設置

ウェブブラウザはCABファイルを利用してnexacro platformエンジンを設置します。CABファイル(nexacro14_SetupEngine_N.cab)のインストールのためにウェブブラウザが最初にアクセスするHTMLは、以下のようなコードが挿入される必要があります。

<HTML>
<HEAD>
<TITLE> Plugin sample page </TITLE>
<BODY>
<object id="NexacroAXCtrl"
	classid="clsid:3CF3951B-34BD-4E22-933B-AE2BE0FA8941" 
	CodeBase="./nexacro14_SetupEngine_N.cab#VERSION=2014,7,11,2">
</object>
</BODY>
</HTML>

ここでのバージョン番号は設置するモジュールのバージョンに依存するため、その値が異なる場合があります。詳しくは、製品と一緒に配布されるVersionInfoファイルを参照してください。

2段階:nexacro platform応用プログラムの実行環境の設定

nexacro platformエンジンは、最初の応用プログラムの配布及び環境設定のためにADLファイルをダウンロード及び解析します。Aと言う応用プログラムを実行するには、A応用プログラムの環境情報を格納しているADL(拡張子:xadl)ファイルがなければなりません。

ADLはApplication Definition Languageの略で、アプリケーションの構成に必要な要素を定義する文書としてxadl拡張子で保存され、配布時には、JavaScriptファイルにType definitionとGlobalVariable情報が含まれています。

そのほかに、基本画面配置、コンポーネント及びオブジェクト構成、テーマ構成などの要素を定義します。

3段階:応用プログラムの実行

nexacro platformエンジンは、ADLの内容の通りに応用プログラムの設定を終えてからUI画面をダウンロードして表示します。

使用者のUI情報はFDLファイルに格納されており、拡張子はxfdlです。

FDLはForm Definition Languageの略で、ユーザーインターフェイスの情報と、画面内で処理されるロジック情報を含んでいます。 FDLファイルは、xfdl拡張子として保存され、配布時には、JavaScriptファイルに変換されて提供されます。

設置用ファイル

当社は、nexacro platformの配布のために様々な設置用のファイルを提供します。

セットアップファイル

以下の表は、nexacro platformのセットアップファイルに含まれる主要モジュールです。

セットアップファイル名


nexacro14_SetupDeveloper_N.exe

• nexacro platform Engine

(nexacro.exe + library dll)

• nexacro14lib (JavaScript)

• nexacro studio

nexacro14_SetupEngine_N.exe

nexacro14_SetupEngine_N.cab

• nexacro platform Engine

• nexacroax14.dll

• nexacrolauncherax14.dll

nexacro14_Launcher_N.cab

• nexacrolauncherax14.dll

ライセンスファイル

以下の表は、ライセンスファイルの種類です。

ライセンスファイル名


nexacro14_server_license.xml

XML形式のファイルで提供します。

X-API jarファイルと同一位置またはclassesフォルダに位置します。

X-APIとHTML5の実行時にチェックします。

nexacro14_client_license.xml

XML形式のファイルで提供します。

ウェブでアクセス可能なパスに位置します。

ADLのlicenseurlに該当ファイルへのパスとファイル名を設定します。

ランタイムとウィジェットの実行時にチェックします。

Tool License

プロダクトキー形式の文書で提供します。

nexacro studioのHelp – About nexacro studioで登録します。

主要モジュールの機能

以下の表は、配布される主要モジュールの機能です。

モジュール名

主要機能

nexacrolauncherax

Iconのイメージをダウンロードします。

ショートカットを生成します。

nexacro platformエンジンを起動させます。

nexacroax

nexacro platformエンジンをウェブブラウザ上で駆動させます。

nexacro platformの配布の種類

nexacro platformの配布は、nexacro platformランタイムがどのような形式で実行されるのかによって、配布方法が異なります。

nexacro platformランタイムの実行形態

nexacro platformランタイムのコア部分であるエンジンが、どのような形態で実行されるのかにより2種類に分けることができます。“Executionバージョンの実行”と“ウェブブラウザプラグインバージョンの実行”の2種類です。

また、その実行形態により配布方法も異なります。

Executionバージョンの実行

“Executionバージョンの実行”は、nexacro platformランタイムを独立したプロセス(Runner)で実行することを意味します。Launcherによる実行とexeファイルの実行の2種類の方法があります。

ウェブブラウザプラグインバージョンの実行

“ウェブブラウザプラグインバージョンの実行”は、ウェブブラウザに組み込まれた状態でnexacro platformランタイムを実行することを意味します。

Web Browser Pluginで実行される形態は、独立して実行されますが、ユーザー環境(Webブラウザ)の影響を受けるため、予想外の問題が発生することがあります。

Webブラウザ上での実行をご希望する場合は、nexacro platform HTML5バージョンを検討してください。

基本配布の種類

nexacro platformの配布は、nexacro platformの実行形態により3種類に分けられます。

“Plugin配布”、“Launcher配布”、“exe配布”の3種類に分けられ、それぞれの内容を以下の表により比較しました。

種類

項目

ウェブブラウザ

Plugin配布

Launcher配布

exe配布

Running

Window

Web Browser

nexacro platform Runtime

nexacro platform Runtime

設置ファイル

nexacro14_SetupEngine_N.cab

nexacro14_SetupEngine_N.cab

nexacro14_SetupEngine_N.exe

nexacro14_SetupEngine_N.exe

nexacro14_Launcher_N.cab

エンジンの

実行

nexacro platform ActiveXの実行

nexacrolauncheraxの実行

nexacro.exe の実行

ショートカットの使用

なし

ショートカットの生成

ショートカットの実行

ショートカットを使用するには、“Launcher配布”方式と“exe配布”方式を複合的に使用しなければなりません。Launcherを利用してショートカットを生成し、exe実行方式によりショートカットをクリックして実行します。

nexacro platformエンジンのバージョン管理

ほとんどの配布は、nexacro platformエンジンが管理します。nexacro platformエンジンは主にウェブブラウザによって配布されると説明しました。では、nexacro platformエンジン自体がアップグレードされた時にはどのように配布するのでしょうか。nexacro platformエンジンが自らアップグレードします。

nexacro platformエンジンのアップグレード情報の登録

nexacro platformエンジンがADLファイルをロードし応用プログラムの実行環境を設定する段階で、アップグレードするか否かを決定して実行します。即ち、エンジンに対するアップグレード情報はADLファイルに格納されています。

以下の画面は、nexacro studioのADLプロパティでアップグレード情報を登録する画面です。

各項目の詳細説明は以下の通りです。

プロパティ名

説明

enginesetupkey

セットアップファイルのProductキーです。

nexacro platformエンジンを使用する時には何の値も入力しません。しかし、開発者が別途のセットアップファイルを作成する時には、該当するセットアップファイルのProductキーを入力します。

engineurl

セットアップファイルが存在するサーバーのURLパスです。

engineversion

セットアップファイルのバージョンです。

licenseurl

ライセンスファイルのパスを設定します。

nexacro platformエンジンのインストール時に使用されたHTMLファイルに使用された値は、ADLプロパティ値と、下記のような関係を持っています。

<HTML>
<HEAD>
<TITLE>Plugin sample page </TITLE>
<BODY>
     <object  id="NexacroAXCtrl"
          classid="clsid:3CF3951B-34BD-4E22-933B-AE2BE0FA8941" 
          CodeBase="./nexacro14_SetupEngine_N.cab# ← engineurl
          VERSION="2014,7,11,2"> ← engineversion
     </object>
</BODY>
</HTML>

nexacro platformエンジンのアップグレードの実行

nexacro studioでADLプロパティ値を入力してからADLファイルを配布サーバーに格納すると、nexacro platformエンジンがADLファイル内のengineurlとengineversion値を現在設置されているnexacro platformエンジンと比べてアップグレードします。

既に設置されているエンジンのバージョンは、使用者のコンピュータの“コントロールパネル/プログラムの追加/削除”で確認することができます。

nexacro platformエンジンをアップグレードする場合には、nexacro platformエンジンが再起動されます。